令和4年11月号

消費税:ここが知りたいインボイス①なぜインボイスが必要なのか?

①取引先ごとに発行している書類の確認

〇雑収入等も含め、売上先が事業者である取引についてインボイスの発行が求められる取引かどうか確認します。

〇取引の都度「納品書」を発行しているか、月締め「請求書」を発行しているか、またレシート・手書き領収書の発行があるかなどを確認します。

※インボイスは、請求書、領収書など名称は問いません。また、電子データでの提供や、手書きでの発行も可能です。


②発行している書類等をどのように見直せばインボイスとなるか検討

〇インボイスの記載事項には、登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額等が従来の請求書等に追加されています。

〇消費税額の1円未満の端数については、端数処理のルールがあります。

〇相互に関連する複数の書類で記載事項を満たすことも可能です。

〇買手が作成する「仕入明細書」の保存により、買手は仕入税額控除を適用することが可能です。ただし、仕入明細書は、買手が作成し、インボイスの記載要件を満たしていることと課税仕入れの相手方(売手)の確認を受ける必要があります。


③何をインボイスにするか、どう発行するか、システム改修等も含めて検討

〇登録を受けた旨(登録番号)、何をインボイスとするか、その発行方法等について、必要に応じて買手に伝えて、認識を共有します。

〇インボイスの写しの保存方法や売上税額の計算方法を検討します。

※写しの保存は、コピーに限りません。電子データや一覧表形式、複写式の控えなども認められます。

〇売上税額の計算方法には、割戻し計算と積上げ計算があります。

〇免税事業者から適格請求書発行事業者となる場合は、商品やサービスの価格について消費税を加味して見直すことも必要です。

【参考資料】国税庁「適格請求書等保存方式の概要-インボイス制度の理解のために-」(令和4年7月)


経営:めざせ!付加価値経営(その2)自己資本比率を高めるにはどうすればいいのか?

自己資本は、自社を倒産から守る防波堤となります。自己資本を増加させるためには、付加価値経営の実行、限界利益の確保、当期純利益の蓄積が重要となります。

1.「他人資本」と「自己資本」

貸借対照表の負債(他人資本)と純資産(自己資本)は、資金の調達源泉を表しています。返済不要な自己資本の割合が大きいほど、企業の健全性が高いと言えます。

〇「他人資本」:企業外部から調達した資金で、返済・支払が必要

        (例)銀行から調達した借入金、仕入先から調達した商品の買掛金等

〇「自己資本」:企業が自ら調達した資金で、返済が不要

        (例)資本金、利益剰余金(利益の蓄積)等


2.自己資本比率

これまで日本の中小企業は、自己資本の充実を怠り、資金調達の多くを土地担保や連帯保証等による金融機関からの借入金にゆだねる傾向にあり、この比率が低い傾向にあります。遊休資産の売却による総資産の圧縮、増資、利益をきちんと確保する、など自己資本の充実を心がけることが大切です。

  自己資本比率(%)=自己資本 ÷ 総資本 × 100


財務・労務:103万円・106万円・130万円!パート等の扶養の範囲の注意点

1.基礎控除・給与所得控除・配偶者(特別)控除・扶養控除

それぞれ、詳細な金額等については、以下のQRコードより、国税庁のタックスアンサーを参照してください(すべて2022年9月9日現在の情報)


2.副収入がある場合

副業等による収入がある場合、以下に注意して下さい。

〇年末調整を受けた給与所得以外の副収入による所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。ただし、住民税の申告が必要です。

〇副収入による所得が20万円以下であっても、確定申告によって医療費控除やふるさと納税(寄付金控除)の適用を受ける場合には、20万円以下の所得を含めて申告する必要があります。


3.社会保険への加入について

社会保険の加入対象となる条件は、下記のとおりです。

a) 1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数がともにフルタイムの3/4以上

b) 従業員数101人以上の企業に勤めており、下記の条件を全て満たす(2022年10月から)

 ①週の労働時間が20時間以上

 ②月額賃金8.8万円以上

 ③2か月を超える雇用の見込みがある

 ④学生ではない(休学中、または夜間学生の場合は加入対象となる)

c) 上記の条件を満たさない場合で、年収が130万円超(自身で国民健康保険・国民年金に加入)

このうち、b)が「106万円の壁」です。月額賃金の算定には、通勤手当など最低賃金法で算入しないことが定められている手当、結婚手当など臨時に支払われる賃金、賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、休日・深夜・時間外労働の賃金は含まれません。

また、c)が「130万円の壁」です。こちらは通勤手当などを含めて計算します。

所得税や住民税とは計算に用いる数字が異なりますので、注意が必要です。


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岸野有紀公認会計士・税理士
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